大阪府摂津市長選挙

公開質問状のご回答


「こども」のことに関して、立候補予定者の方に公開質問状を送り、子どもたちから2つ、大人から7つの質問をさせていただきました。ご回答をいただきましたので、当会のHPに掲載させていただきます。「こども」に関することだけですが、投票される際の1つの指標としていただければと思います。


提出した公開質問状

 

令和6年8月19日

摂津市長選挙候補予定者 様   

               

         こども・みらい・かいぎinせっつ

代表 野﨑直子

E-Mail kodomo.settsu@gmail.com

 

 

拝啓 

 残暑の候 ますますご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。さて、この度は、9月22日に行われる摂津市長選挙の各立候補予定者に質問をし、回答いただいたものを情報公開することにしました。多くの摂津市民の方に摂津市長選挙に興味を持っていただき、市長を選ぶ時の1つの目安にしていただきたいと思います。子どもたちからの質問と大人からの質問とあります。忙しい時期とは存じますが、ご回答よろしくお願いいたします。

                               

                            敬具

 

公開質問状に対する回答の依頼

 

1.回答頂く質問:   別紙①~③

 

2.回答期日:      令和6年8月31日(土)

 

3.その他:        ・回答は誤字脱字等のチェック以外は原文のままで公開させてい

                  ただきます。

                 ・公開は、ホームページ又はSNS等でさせていただきます。

                 ・目的は多くの摂津市民の方に興味を持っていただき、投票され

                  るときの1つの目安にしていただければと思います。

  

 

 

別紙①~③ 

 

子どもたちからの質問


1.市長になんでなりたいと思いましたか?


2.学校は何をするために行くと思いますか?

 

【大人からの質問】

 

1.子どもの権利について
 子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)は、1989年に国連で採択され、翌年国際条約として発効され、日本は1994年に批准しました。日本では、この条約と日本国憲法をもとに、子ども基本法が2023年4月に施行され、こども家庭庁が設立されました。こどもまんなか社会の実現に向けて、子どもの声を聴き、政策に反映することを積極的に進められています。
子どもの権利条約の基本的な考え方には、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つの原則があります。子どもは、大人から保護や指導をうけるだけの存在ではなく、独立した人格と尊厳を持ち、自己決定しながら成長していくことができる存在であるとしています。
大人は、子どもたちが安全で幸せに育つ権利を保障するために、子どもをひとりの人間として尊重し、子どもの目線に立って物事を理解し、大人の考えを押し付けず、子どもの主体性を尊重することが求められています。

1-1.子どもも大人もまず、子どもの権利を知る必要があると思います。

摂津市として、どのように取り組んでいくとよいとお考えですか?


1-2.摂津市としても「子どもの声を聴くこと」が求められいると思いますが、どのように取り組もうとお考えですか

 

2.教育ついて

国連子どもの権利委員会から日本は様々な事に関して勧告を受け、教育に関しても勧告を受けています。 学校関係でのいじめの問題、 競争的な学校環境の問題、外国人学校への補助金の問題、インクルーシブ教育が不十分であることを示され、勧告を真摯に受け止めた施策の実施が求められています。

 

2-1.競争的な学校環境の問題は、国連から過度に競争的なシステムを含むストレスの多い学校環境から子どもを解放するための措置の強化を求められ、過度に競争的な学校システ ムが限度を超えて学校環境をストレスフルなものにしているとの認識が国連より示されています。 そのことに関してどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

2-2.不登校、行き渋りの子どもが増え、学校を楽しいと思っている子どももいますが、学校に行っているがそうでない子どもいます。そのことをどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

2-3.大阪府は「ともに学び、ともに育つ」教育を掲げています。障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育がなされることにより、「ともに学び、ともに育つ」学校園づくりがさらに推進されることを期待されています。

国連子どもの権利委員会からの勧告、2022年9月には、国連障害者権利委員会から日本政府に分離教育をやめるよう勧告が出され、文部科学省が言っているインクルーシブ教育システムではなく、本当の意味でのインクルーシブ教育が求められています。

摂津市として、障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育をどのようにしていくとよいとお考えですか?

 

3・就園について

 現在、保育所待機児童がいて、障がい児の受け入れ体制も不十分です。保育所に預けられないと仕事に行けず、無認可の施設や他市にある保育所を利用させている方がおられます。障がい児に関しては、希望しにくい、希望してもスムーズに受け入れてもらえないことで、子どもの就学にも大きな影響を与え、保護者への精神的苦痛は、とても大きいものとなっています。

 保育士等の人材確保及び離職防止を図ることを目的として、摂津市内の私立保育所等で一定期間勤続する保育士・保育教諭の方に「摂津市新規採用保育士給付金」として採用後5年間で最大100万円を支給されています。

摂津市も保育士確保に努力していただいていると思いますが、こども誰でも通園制度の実現に向けて、どのようにお考えですか?

 

.中高生の居場所について

現在、第1児童センターは、小学生対象で、中高生の居場所になる施設はありません。2児童センターが鳥飼地区に開設予定ですが、中高生の居場所、どのようにお考えですか

 

5. 交通手段(バス)について
 摂津市内循環バス、公共施設巡回バス(セッピイ号)、バス会社の運行で、市内をバスが走っていますが、市内全域を走るコミュニティバスの整備に関してどのようにお考えですか?

 

6. 有機フッ素化合物(PFOA、PFOSなど)について

摂津市内の地下水より、PFOAの合算値が国の暫定的な目標値を超える濃度で検出されたが、地下水については飲用利用がないことが確認され、引き続き、地下水の飲用利用は控えるように言われています。
水道水については暫定目標値を下回っていることが確認されているようですが、子どもたちもを含め、安心して生活できるように、摂津市としての対応、情報発信を含めて、今後どう取り組まれますか?

 

 


各立候補予定者からの回答

※回答があった立候補予定者の順に掲載。すべて原文の通り。

子どもたちからの質問

1.市長になんでなりたいと思いましたか?


【嶋野浩一朗】

 市長の役割は、市民の皆さんを幸せにし、摂津市を住みやすい市にすることです。私はこれまで、たくさんの人や家族、友達に支えられ、困った時にどうすれば良いのかを教えていただくことができました。その恩返しという気持ちもあり、今 摂津市に住んでいる人や、これから生まれてくる人が摂津市で住んで良かったと感じていただけるように、市長として頑張りたいと思いました。

 

【安藤きよみ】

 摂津市を変えたい、いっしょに変えましょうとよびかけたい、と思ったからです。

20年以上前、摂津市には市民プールがありました。流れるプールやすべり台もあって料金が安い、市外からもたくさんの人があそびに来る人気のプールでしたが、とつぜん市が廃止を発表しました。なくさないでほしいと1万人以上の子どもやおとなが署名をしましたが、きいてもらえずなくなってしまいました。理由は「古くなってあぶないから」でした。直せば使えたのに。そのときからずっと私は、一度決まったことは、当事者が求めてもなかなか変わらないという政治を見てきました。そのため「どうせ私が何を言っても変わらない」とあきらめている人が多いです。私が変えたいのは、そこです。摂津でくらすおとなも子どももみんながあきらめることなく、自分がまちづくりをしているんだと思える摂津市にしたい。決まったことが変えられないなら、決めるときに、当事者の意見をきくようにすればいい。市民と市が、それぞれの考えを出し合って大事なことを決めていくのです。地域のことを地域の人の意見をきいて決めていくやり方をミュニシパリズムといいます。まだあまり知られていないことばですが、ミュニシパリズムをとり入れている町は、東京都の杉並区をはじめ全国で少しずつ出てきていますから、おぼえておいてほしいです。

 

【中川よしひこ】

 こどもはおとうさんやおかあさんだけでそだてるのではなく、いろんなひとのたすけをかりておとなになっていきます。
どうやったらこどもをげんきよくあそび、べんきょうできるように、ととのえていくために、しみんのみなさんからあずかったおかねのつかいみちをきめるにはしちょうさんにならないとできないので、しちょうをめざしています。

 


2.学校は何をするために行くと思いますか?

 


【嶋野浩一朗】

 国語や算数など勉強の方法を学んだり、体育で体の動かし方を学んだり、道徳で困っている人が周りにいた場合にどう行動したら良いのかを学ぶために、学校はあると思います。学校に行くことで、意見の違う同級生と話し合って結論を出すことや、学年の違う人のコミュニケーションの取り方を学んだりすることも大切だと思います。

 

【安藤きよみ】

 おとなたちにたずねてみました。「しあわせになるため」「だまされないようにするため」「さあ?」私の夫は「休むと、学校が終わってから友だちと遊べないからそのために行っていた」と大まじめで言いました。みんなばらばら。私と同じ答の人もいませんでしたが、先日ぐうぜん読んだ作家の太宰治の文章が、私の“なぜ勉強するのか”の答に近くておどろきました。「学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいい。全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底にひとつかみの砂金が残っているものだ。…その学問を生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!」です。でも、質問は、なぜ勉強するのかではなく、なぜ学校に行くのかですね。勉強ならじゅくへ、スポーツならクラブへ行けばいい。けれど、学校ではその両方ができます。それだけではなくて、給食を食べたり遠足に行ったり、楽しかったりうれしかったり腹が立ったりみじめだったり、いろいろなことを同じような年令の人たちとジェットコースターに乗るようにけいけんします。太宰治が言っていることは、勉強についてだけではなくて、学校でのけいけん全てにあてはまると、私は思うのです。

私の答は、少しむずかしいかもしれません。おうちの人とどういうことか話し合ってみてください。ぜひどこかでお会いして、答え合わせをしたいです。子どものあなたの答も、思いついたら教えてください。

最後に、私は"勉強"ということばを使ったけれど、本当は"学習"と呼びたいです。学校は、体験の全てが学習になるような場所であってほしいと思っています。

 

【中川よしひこ】

 がっこうはひととしていきるちからをまなぶことろ。ともだちとあそんだり、けんかしてもはなしあってなかなおりしたり、わからないことをしらべたりして、せいちょうするところ。

大人からの質問

1.子どもの権利について
 子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)は、1989年に国連で採択され、翌年国際条約として発効され、日本は1994年に批准しました。日本では、この条約と日本国憲法をもとに、子ども基本法が2023年4月に施行され、こども家庭庁が設立されました。こどもまんなか社会の実現に向けて、子どもの声を聴き、政策に反映することを積極的に進められています。
子どもの権利条約の基本的な考え方には、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つの原則があります。子どもは、大人から保護や指導をうけるだけの存在ではなく、独立した人格と尊厳を持ち、自己決定しながら成長していくことができる存在であるとしています。
大人は、子どもたちが安全で幸せに育つ権利を保障するために、子どもをひとりの人間として尊重し、子どもの目線に立って物事を理解し、大人の考えを押し付けず、子どもの主体性を尊重することが求められています。

1-1.子どもも大人もまず、子どもの権利を知る必要があると思います。

摂津市として、どのように取り組んでいくとよいとお考えですか?

 

【嶋野浩一朗】

子どもに接する立場の方に理解をして頂いた上で、出産前の講座や、保育士や幼稚園教諭と保護者が接する機会の多い就学前にお伝えすることが肝要だと考える。義務教育課程に移れば、児童会・生徒会活動を行う中で、この趣旨を理解した先生方が導いてくれることが理想であると思う。

 

【安藤きよみ】

 「子どもの権利条約」を理解し、さらに日々意識して教員活動をされている先生は少ないそうです。条約を学校現場に周知し教職員の意識を高めることと、市・市教育委員会(以下、市教委)は、条約の内容が学校で実現できるように、過度な競争主義の是正など教育条件を整備することが求められます。地域の大人に「子どもの権利条約」を知ってもらう方法の一案として、1-2で回答している「子ども会議」に大人を招待する回を設けてその理念にふれてもらいます。以上は私の案ですが、子どもの権利が保障されていないと感じておられる方たちのご提案を伺いながら有効な方策を見つけていきたいと考えています。


1-2.摂津市としても「子どもの声を聴くこと」が求められいると思いますが、どのように取り組もうとお考えですか

【嶋野浩一朗】

 子どもが意見を述べやすい環境を作ることが大切、例えば「子どもが行きたくなる公園」などのテーマでそのような機会を設け、子どもが意見の述べることが普通である環境から整えたい。

 

【安藤きよみ】
 子どもたちの意見をきくことは「参加する権利」を保障するうえでも大切なこと。「子ども会議」を定期的に開催したいです。子ども版パブリックコメントとして子どもたちに関わる市の課題についてアンケートや話し合いをしたり、子どもたち自身で課題を決めたりと、進め方はさまざま考えられます。まちづくりに取り入れたいご意見が、子どもたちからいただけることを期待しています。大人には見えない、子どもたちの考えや可能性をかいま見る貴重な機会になるはずです。また、貴会の「なんでやねんBOX」は、人前での発言が困難なお子さんからも率直なご意見を聞けるもので、ご一緒に広げていきたいです

 

1-1.2併せて

【中川よしひこ】

 こどもの権利条約を尊重し、折に触れて大人だけではなく子どもにも考えを伝えていくよう心がけてまいります。

 

2.教育ついて

国連子どもの権利委員会から日本は様々な事に関して勧告を受け、教育に関しても勧告を受けています。 学校関係でのいじめの問題、 競争的な学校環境の問題、外国人学校への補助金の問題、インクルーシブ教育が不十分であることを示され、勧告を真摯に受け止めた施策の実施が求められています。

 

2-1.競争的な学校環境の問題は、国連から過度に競争的なシステムを含むストレスの多い学校環境から子どもを解放するための措置の強化を求められ、過度に競争的な学校システ ムが限度を超えて学校環境をストレスフルなものにしているとの認識が国連より示されています。 そのことに関してどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

【嶋野浩一朗】

 競争することで考え、知恵が授かり、文明が栄えたと、私は考える。社会で競争がある以上、学校だけをそこから切り離すことは適切ではないと考える。ただ、競争にストレスを感じる子どもがおり、競争で負ける子どもがいることも事実であり、もっとそこに目を向けたい。子どもだけでなく、保護者にも寄り添った相談体制を構築することが重要ではないかと思う。

 

【安藤きよみ】

 学校は人材育成の場ではなく人間形成の場だと、私は考えています。学習指導要領や画一的な学力向上施策、職業選択を急かすようなキャリア教育など、国の教育システムが管理的でかつ競争が前提となっていることが、学校環境をストレスフルにしていると思っています。対応として、まずは摂津市の学力テストを中止し、国・府には、現在行っているような学力調査の中止、府には中学入学と同時に子どもを受験のストレスにさらすチャレンジテストの中止を強く求めます。授業時間をテストに割くのではなく、先生が現に目の前に見ている子どもに合わせた授業を実践して、学習意欲へとつなげてほしい。そのためには、先生が子どもと接する時間が足りていません。中学校も少人数学級にするとともに、先生方の行政への事務報告や会議等を削減して、子どもに向き合う時間を増やしたい。市・市教委は、学校の主体的な授業計画を尊重し、先生の数の確保など教育条件の整備につとめるべきです。 

 

2-2.不登校、行き渋りの子どもが増え、学校を楽しいと思っている子どももいますが、学校に行っているがそうでない子どもいます。そのことをどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

【嶋野浩一朗】

学校に行く意味は、ただ勉強の方法を覚えたり、楽しく友達と遊ぶことだけでなく、時には我慢することなどを実体験から学ぶことも含まれている。保護者はそれを理解しており、その視点から適切に導くことが大切であると思う。それでも学校に馴染めなかったり、居場所を見つけられない場合には強制することなく、しかしどこかで誰かと繋がっていられる環境は必要であると思う。また学習内容に物足りなさを感じ、学校を楽しいと思えない場合もある。最低限の学力補償という義務教育の意義は維持し、更に伸びようという意欲を大切にする取り組みも重視したい。

 

【安藤きよみ】

 登校しない/できない要因は、学習、自己認識、人間関係、地域、家庭など様々でしょうが、つまりは、それに勝る学校へ行く理由が見つからないということ。それは、子どもたちに問題があるのではなく、子どもを枠にはめるような教育システムに問題があると思っています。それに対してフリースクールという選択もたしかにあるけれど、私は、全ての子どもたちに教育を受ける権利があり、保護者は受けさせる義務を負うという義務教育たる学校教育を諦めきれません。問題のある教育システムは改めて、サステナブルなものにするべきです。今現在、想像するばかりで、私は子どもたちの本当の気持ちや生活を知りません。自分でもよくわからず暗闇にいる子もいるのかもしれない。登校を強いるのではなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携して子どものモヤモヤをさぐりながら、行きたくなる学校づくりを一緒に考えてほしいと、子どもたちを誘いたい。私たち大人はあなたたちが大切で、放っておかないとぞいうメッセージを子どもたちとご家庭に向け発信し、摂津から全国へと広げたいです

 

2-1.2併せて

【中川よしひこ】
 子どもにとって学校だけが解決できる場所だとは思っていません。子どもには学校に行く自由もあれば行かない自由もあると思います。学校教育はもとより学校以外の場所においても同様に子どもの学ぶことを保障するため、フリースクール等への補助など行なっていきたいと考えています。

 

2-3.大阪府は「ともに学び、ともに育つ」教育を掲げています。障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育がなされることにより、「ともに学び、ともに育つ」学校園づくりがさらに推進されることを期待されています。

国連子どもの権利委員会からの勧告、2022年9月には、国連障害者権利委員会から日本政府に分離教育をやめるよう勧告が出され、文部科学省が言っているインクルーシブ教育システムではなく、本当の意味でのインクルーシブ教育が求められています。

摂津市として、障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育をどのようにしていくとよいとお考えですか?

 

【嶋野浩一朗】

 障害の有無に関わらず、希望する学校に通えることは重要であると考える。かつて世田谷区でのインクルーシブ教育の様子を視察したが、摂津市でも可能であると感じた。どの環境で子どもが学ぶことが最適なのかを長期的な視点で考え、普通学校を希望される場合には実現出来るように、人材確保を行いたい。

 

【安藤きよみ】

 文科省が2022年4月に「特別支援学級在籍児童は、半分以上特別支援学級で授業をすること」「半分以上の授業を行わない場合は、通級指導教室及び通常学級在籍に学びの場を変更すること」などとする通知を出しました。これは子ども・保護者・教職員の思いや教育的努力を無視しており、支援学級の子どもと通常学級の子どもを線引きする、インクルーシブ教育の実現とは相反するものです。本来めざすべきは、子どもの実態と願いに根ざした特別支援教育を実現することです。そのために必要なのは、通知にあるような画一的な学びの場の設定ではなく、支援学級で何時間何を学習するか、通常学級でどのような支援が必要かなどを子ども・保護者・学校の合意を尊重して教育課程として認めることです。文科省に通知の撤回を求めることも必要です。

 

【中川よしひこ】

障がいあるなしに関わらず子どもが等しく学ぶ環境を整えていくことが肝要です。大阪府と連携しながら必要ならば摂津市独自の教員加配など、きめ細やかな教育に努めて行きたいと考えています。


・就園について

 現在、保育所待機児童がいて、障がい児の受け入れ体制も不十分です。保育所に預けられないと仕事に行けず、無認可の施設や他市にある保育所を利用させている方がおられます。障がい児に関しては、希望しにくい、希望してもスムーズに受け入れてもらえないことで、子どもの就学にも大きな影響を与え、保護者への精神的苦痛は、とても大きいものとなっています。

 保育士等の人材確保及び離職防止を図ることを目的として、摂津市内の私立保育所等で一定期間勤続する保育士・保育教諭の方に「摂津市新規採用保育士給付金」として採用後5年間で最大100万円を支給されています。

摂津市も保育士確保に努力していただいていると思いますが、こども誰でも通園制度の実現に向けて、どのようにお考えですか?

 

【嶋野浩一朗】

保育園側が障がい児の受け入れを検討できる助成制度の確立と併せ、居宅訪問型保育の両立が現実的であると考える。

 

【安藤きよみ】

 子どもが増えることは嬉しいことなのに、残念ながら摂津市では待機児解消が進んでいません。認定こども園の幼・保の人数枠のバランスを見直す、待機児園を公設で新設するなど抜本的な対策が必要です。障害児の就園については、就園の決定が2月と遅いことをはじめ現行の市の手続が、園が受け入れを躊躇する一因になっているとも考えられます。園が障害児を受け入れやすくするために必要なことを、市と園で再検討するべきです。「こども誰でも通園制度」には、私は疑問を感じています。待機児がいる現状に加え、一時保育も、待機児となってしまったご家庭の利用で常にいっぱいだと聞いており、この制度は現実的ではありません。また、一時保育は、安全な保育のために事前に子どもについて聞き取りなどされていますが、当該制度は、アプリ申請でいつでも誰でも時間単位で次々子どもを預かるというものです。2026年度からこの制度を始めなければならないとしたら、質の高い保育をどう保障するか、受け入れ可能な園があるかなど、課題は山積しています。保護者の緊急時や休息のための保育制度は、たしかに必要です。本気の待機児解消対策をうちながら、本来の一時保育枠を確保できるように現行の一時保育を充実させるのがよいと、私は考えています。

 

【中川よしひこ】

この制度は保育の義務教育化ぐらいの内容で、何よりも保育士の確保、施設整備、これを全て地方自治体で解決するためには財政的に厳しいものがあり、国がしっかり財源の裏付けをしていただくことが前提でないと成り立ち得ないものであると考えております。

 

.中高生の居場所について

現在、第1児童センターは、小学生対象で、中高生の居場所になる施設はありません。2児童センターが鳥飼地区に開設予定ですが、中高生の居場所、どのようにお考えですか

【嶋野浩一朗】 

 中高生には学校の部活動や地域のクラブチームなどで、スポーツ・文化活動に思いっきり取り組んで欲しいと思っている。また、こども食堂が摂津市でも広がってきているが、特に高校生はその担い手になってもらうのも重要だと考える。

 児童センターのような機能で中高生の居場所を整備することは、今の段階では考えていない。

 

【安藤きよみ】

 安威川以南にも児童センターをという要望は以前からあり、やっと第2児童センターが建設されることになりましたが、その詳細は、まだ未定と聞いています。中央環状線高架下を有効活用できないかという提案もあります。中高生自身からの要望が多ければ、居場所をつくることは可能かと思います。その場合、自習室、相談拠点、交流やスケボーパークなど、どういう施設が必要なのか、当事者の声を聞いて決めていくのがよいと考えます。


【中川よしひこ】

コミュニティプラザや学校図書室など放課後も一定時間開放するなど、中高生が気軽に自由に過ごせる場所づくりに努めたいと考えています。

 


5.交通手段(バス)について
 摂津市内循環バス、共施設巡回バス(セッピィ号)、バス会社の運行で、市内をバスが走っていますが、市内全域を走るコミュニティバスの整備に関してどのようにお考えですか

 

【嶋野浩一朗】

 今の路線バスは維持に向けて取り組むべきであると考えるので、市内全域のコミュニティバスの整備は考えていない。

一方、運転免許を自主返納された高齢者など、別の視点から日常の足の確保を考えるべき方おられるも。今ある移動支援の対象拡充や、安心して利用できるライドシェアの実施などの手段を考えたい。

 

【安藤きよみ】

摂津市全域で大きな課題です。私の所属する団体でも、長年要望を続けセッピィ号など実現しましたが、市民の要望に十分に応えるものとはなっていません。現在、地域公共交通協議会が開かれており、バスのあり方を中心に、市民・行政・事業者に有識者を加えて話し合っているところです。ただ、市民代表の委員はわずか2名。もっと広範な市民の声を集め協議会に反映し、有識者の意見もきくことで、コミュニティバスも含め、便利な市内交通のあり方について実効性のある協議をすすめて、実現に向け急ぎ検討していきたいです。

 

【中川よしひこ】

民間バスは便数が少なくまたセッピイ号も行きたい場所には走ってないなど改善が必要です。民間バス会社と協力して幹線道以外の街の隅々に新たなコミュニティバス路線を整備していきたいと考えております。

 

6. 有機フッ素化合物(PFOA、PFOSなど)について

摂津市内の地下水より、PFOAの合算値が国の暫定的な目標値を超える濃度で検出されたが、地下水については飲用利用がないことが確認され、引き続き、地下水の飲用利用は控えるように言われています。
水道水については暫定目標値を下回っていることが確認されているようですが、子どもたちもを含め、安心して生活できるように、摂津市としての対応、情報発信を含めて、今後どう取り組まれますか?

 

【嶋野浩一朗】

 摂津市が供給する水道水は、安全性で全く問題がない。これまでも何人もの市民の方から不安の声を伺った。しっかりと説明すれご理解を頂き、安心もして頂ける。積極的な説明を要望しております、今後もしっかりと安心感の醸成に向けた積極的な情報発信に目を向けていきたい。

 

【安藤きよみ】

 私は府との懇談にも参加しましたが、現在、府・市が市民の不安に応え得る対応ができているとは思えません。世界の動向に比べ、いまだ指針さえ決まっていない国・府に対して、規制強化、汚染除去、血液検査、健康調査をより強く求めるとともに、市民の命と健康を守る立場で、PFOAの発出源であるダイキン工業と、対決ではなく対話を密にして、情報公開と汚染対策を働きかけたいです。同時に、市として土壌・水質調査の実施や、血液検査、健康影響調査の構築を始めたい。摂津市の対応は日本で広がるPFAS汚染の対策にも影響を与えるもので、住民の立場に立つ地方自治体の役割を果たすことが求められると考えています。

 

【中川よしひこ】

定期的に水道水の安全性を確認し、その結果を適宜公表していきます。
安定給水に務め、自己水源の確保にも意をもって取り組んでいきたいと考えております


大阪府議会議員補欠選挙

公開質問状のご回答


「こども」のことに関して、立候補予定者の方に公開質問状を送り、子どもたちから2つ、大人から5つの質問をさせていただきました。ご回答をいただきましたので、当会のHPに掲載させていただきます。「こども」に関することだけですが、投票される際の1つの指標としていただければと思います。


提出した公開質問状

令和6年9月5日 

大阪府議会議員補欠選挙立候補予定者様   

               

         こども・みらい・かいぎinせっつ

代表 野﨑直子

E-Mail kodomo.settsu@gmail.com

 

 

拝啓 

 残暑の候 ますますご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。さて、この度は、9月22日に行われる大阪府議会議員補欠選挙の各立候補予定者に質問をし、回答いただいたものを情報公開することにしました。多くの摂津市民の方に大阪府議会議員補欠選挙に興味を持っていただき、大阪府議会議員を選ぶ時の1つの指標にしていただきたいと思います。子どもたちからの質問と大人からの質問とあります。忙しい時期とは存じますが、ご回答よろしくお願いいたします。

                               

     

 

                       敬具

 

 

公開質問状に対する回答の依頼

 

 

 

1.回答頂く質問:   別紙①~③

 

2.回答期日:      告示日、投票日が近づいてきているため、

                 可能な範囲で早めのご回答をお願いします。

 

3.その他:        ・回答は誤字脱字等のチェック以外は原文のままで公開させてい

                  ただきます。

                 ・公開は、ホームページ又はSNS等でさせていただきます。

                 ・目的は多くの摂津市民の方に興味を持っていただき、投票され

                  るときの1つの指標にしていただければと思います。

 

 

 

子どもたちからの質問

 

1.府議会議員なんでなりたいと思いましたか?


2.学校は何をするために行くと思いますか?

 

 

【大人からの質問】

 

1.子どもの権利について
 子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)は、1989年に国連で採択され、翌年国際条約として発効され、日本は1994年に批准しました。日本では、この条約と日本国憲法をもとに、子ども基本法が2023年4月に施行され、こども家庭庁が設立されました。こどもまんなか社会の実現に向けて、子どもの声を聴き、政策に反映することを積極的に進められています。
子どもの権利条約の基本的な考え方には、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つの原則があります。子どもは、大人から保護や指導をうけるだけの存在ではなく、独立した人格と尊厳を持ち、自己決定しながら成長していくことができる存在であるとしています。
大人は、子どもたちが安全で幸せに育つ権利を保障するために、子どもをひとりの人間として尊重し、子どもの目線に立って物事を理解し、大人の考えを押し付けず、子どもの主体性を尊重することが求められています。

1-1.子どもも大人もまず、子どもの権利を知る必要があると思います。

大阪府として、どのように取り組んでいくとよいとお考えですか?

 
1-2.大阪府としても「子どもの声を聴くこと」が求められいると思いますが、どのように取り組もうとお考えですか

 

 

2.教育ついて

 

国連子どもの権利委員会から日本は様々な事に関して勧告を受け、教育に関しても勧告を受けています。 学校関係でのいじめの問題、 競争的な学校環境の問題、外国人学校への補助金の問題、インクルーシブ教育が不十分であることを示され、勧告を真摯に受け止めた施策の実施が求められています。

 

2-1.競争的な学校環境の問題は、国連から過度に競争的なシステムを含むストレスの多い学校環境から子どもを解放するための措置の強化を求められ、過度に競争的な学校システ ムが限度を超えて学校環境をストレスフルなものにしているとの認識が国連より示されています。 そのことに関してどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

2-2.不登校、行き渋りの子どもが増え、学校を楽しいと思っている子どももいますが、学校に行っているがそうでない子どもいます。そのことをどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

2-3.大阪府は「ともに学び、ともに育つ」教育を掲げています。障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育がなされることにより、「ともに学び、ともに育つ」学校園づくりがさらに推進されることを期待されています。

国連子どもの権利委員会からの勧告、2022年9月には、国連障害者権利委員会から日本政府に分離教育をやめるよう勧告が出され、文部科学省が言っているインクルーシブ教育システムではなく、本当の意味でのインクルーシブ教育が求められています。

大阪府として、障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育をどのようにしていくとよいとお考えですか?

 

 


各立候補予定者からの回答

※回答があった立候補予定者の順に掲載。すべて原文の通り。


子どもたちからの質問

1.府議会議員なんでなりたいと思いましたか?


【三好としのり】

 府議会議員になりたいと思った理由についてですが、教育に関してのことであれば、やはり教育の無償化です。私の出生に関することですが、私は祖父母のもとで育てられ決して良い環境だとは言えない家庭でした。あったかい食事を食べることもままならず、当時としては厳しい家庭環境だったのではないかと思います。私としては誰もが学ぼうと思えば学べ、誰もが頑張りたいと思えば頑張れる環境を整備する必要があると思います。そのために、府議会議員として財源確保にしっかりと取り組み教育の無償化を実現したいと思います。

 

【谷口はるこ】

 6年前の大阪北部地震で摂津市ではペットと一緒に避難出来ないことを知りました。

ペットは家族と同じくらい大切な存在です。一緒に避難出来て当たり前だと思っていました。自治会の方に一緒に避難出来る方法は無いか?と訴え続けて、ケージ持参であれば中型犬までという限定的なものでした。摂津市では、ペットと暮している人は他市に比べ、多いのではないかと、色々な方の話を聞いて実感しています。私は摂津市からペットと共に避難する方法を発信し、大阪府に広げていきたいと考えています。ペットと共に暮している人もそうではない人も、皆が安心し、避難できる環境を作りたい思いを誰よりも強く持っています。それには政治の力が必要不可欠です。災害時の不安を少しでも和らげたい 摂津の防災を大阪府の目線で考えたいと思い立候補を決意しました。

 


2.学校は何をするために行くと思いますか?

 

【三好としのり】

 学校に行くのは、知識を学ぶのはもちろんですが、友達とのコミュニケーションを通じて社会でのルールや協力の仕方を学ぶためだと思います。また、自分の興味や関心を深めることで、自分の将来を考えるきっかけを作る場所でもあり、自身の個性や友人を通して様々な考え方を学び、楽しい思い出をいっぱい作る場所だと思います。

 

【谷口はるこ】

 学校は学ぶ場ではあることは間違いありません。しかし学校で学ぶのは勉強だけじゃないと思います。同じ地域に住んでいる同じ年齢の子と出会うことで、自分とは違う考え方や同じ趣味の子などがいる事を知ることが出来ます。そんな仲間と一緒に遠足に行って自然に触れて感動したり、運動会でかけっこに負けて悔しい思いをしたりして様々な感情を経験から知ります。また 自分以外の人と接することで挨拶が出来る人になること。人を思いやる心を持つこと。自分の持っているものを他の人に分け与えられる、優しい心を持てるようになること。それには嬉しいことは一緒に喜び、悲しいことは一緒に泣けるような、信頼できる友達をつくること、それができるのが学校だと思います。

 

 

大人からの質問

1.子どもの権利について
 子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)は、1989年に国連で採択され、翌年国際条約として発効され、日本は1994年に批准しました。日本では、この条約と日本国憲法をもとに、子ども基本法が2023年4月に施行され、こども家庭庁が設立されました。こどもまんなか社会の実現に向けて、子どもの声を聴き、政策に反映することを積極的に進められています。
子どもの権利条約の基本的な考え方には、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つの原則があります。子どもは、大人から保護や指導をうけるだけの存在ではなく、独立した人格と尊厳を持ち、自己決定しながら成長していくことができる存在であるとしています。
大人は、子どもたちが安全で幸せに育つ権利を保障するために、子どもをひとりの人間として尊重し、子どもの目線に立って物事を理解し、大人の考えを押し付けず、子どもの主体性を尊重することが求められています。

1-1.子どもも大人もまず、子どもの権利を知る必要があると思います。摂津市として、どのように取り組んでいくとよいとお考えですか?

 

【三好としのり】

 大阪府として、まずは子どもたちや保護者に対して、子どもの権利条約や子ども基本法についての理解を深めるための啓発活動を行うことが重要です。学校や地域コミュニティでのワークショップやセミナーを開催し、子どもたち自身が自分の権利を理解し、守られる存在であることを認識できる機会を増やすことが大切です。また、大人も子どもの声に耳を傾け、彼らの意見を尊重する姿勢を育てるための教育が必要だと考えます。

 

【谷口はるこ】

まず子どもたちは大人の所有物ではなく人間の尊厳をもった主体として「子どもはおとなのいうことを聞くべき存在」はないということが大前提にあります。この条約を知ってもらう方法を子どもが主とした「子ども会議」に大人が参加する機会をつくり、その理念に触れる機会を作ります。その為にも定期的に開催し色々な立場の大人に参加してもらう必要があると考えています。

 


1-2.摂津市としても「子どもの声を聴くこと」が求められいると思いますが、どのように取り組もうとお考えですか

 

【三好としのり】

 大阪府としては、子どもの声を積極的に取り入れる仕組みを整えることが必要です。例えば、子どもたちが直接意見を述べることができる「子ども議会」や「子ども委員会」を定期的に開催し、そこでの意見を政策に反映させることが考えられます。また、インターネットやSNSなどを活用したアンケートや意見募集を通じて、より多くの子どもたちの声を集め、反映していくことも効果的だと思います。私自身はPTAなどの活動を通して直接子どもの意見を聞く機会も大切だと思っております。

 

【谷口はるこ】

 子どもの声を聴くためには幼稚園や小学校、中学校などで「こども会議」を開催し意見を言いやすい環境を作る必要があると思います。テーマなどもこちらから提案するだけでなく子どもたちのほうから自発的に出てくるテーマを尊重し会議を開くことが大切だと思います。人前での発言や提案が苦手な子どもは貴会の「なんでやねんBOX」を利用することで様々な意見を聞けると考えています。

 

 

2.教育ついて

国連子どもの権利委員会から日本は様々な事に関して勧告を受け、教育に関しても勧告を受けています。 学校関係でのいじめの問題、 競争的な学校環境の問題、外国人学校への補助金の問題、インクルーシブ教育が不十分であることを示され、勧告を真摯に受け止めた施策の実施が求められています。

 

2-1.競争的な学校環境の問題は、国連から過度に競争的なシステムを含むストレスの多い学校環境から子どもを解放するための措置の強化を求められ、過度に競争的な学校システ ムが限度を超えて学校環境をストレスフルなものにしているとの認識が国連より示されています。 そのことに関してどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

【三好としのり】

 競争的な学校環境が子どもたちに過剰なストレスを与えている現状は改善すべき課題です。大阪府としては、学力だけでなく子どもたちの多様な能力や個性を評価する教育制度を推進することが必要だと考えます。これには、学校での評価方法を見直し、テストの結果だけではなく、グループ活動や創造性を評価するような取り組みが含まれます。また、子どもたちが安心して学べる環境を整えるため、カウンセリングの充実や、学習指導の強化が重要です。ただし大人になった途端に競争せざる得ない社会も問題があるのではないかと思います。無責任に社会に出れば自己責任というのではなく、しっかりと学生の間に知識をつけ、自立できる教育を実施していくべきと考えます。

 

【谷口はるこ】

 学校は生徒に対して優劣をつけたり競わせたりする場所ではなく、友達を作ったり夢を探したりやりたいことを見つける場所だと私は思います。しかし国の教育システムは競争させることやキャリア教育などで自由にのびのびとした教育環境とは程遠いものになっており、それが学校環境をストレスフルなものにしていると思います。生徒をテストの点数で評価するような学力調査・チャレンジテストの中止を強く求めます。テストのための授業ではなく、子どもたちが興味をもち学びたいという気持ちになる授業をしてほしいと思います。その為には先生と子どもたちが接する時間を多く持つ必要があります。事務報告や会議などを簡素化・削減。子どもと接することで生まれてくる授業計画を大切にして、先生の数の確保し先生自身の仕事量の軽減など教育環境の整備に努めるべきです。

 

 

2-2.不登校、行き渋りの子どもが増え、学校を楽しいと思っている子どももいますが、学校に行っているがそうでない子どもいます。そのことをどう思われ、どのようにしていくとよいとお考えですか?

 

【三好としのり】

 不登校や行き渋りの子どもが増加している問題は非常に重要です。日本は1994年に子どもの権利条約を批准しており、全ての子どもが安心して学べる環境を整えることが求められています。特に、子ども一人ひとりが尊重され、自分のペースで学びを進められることが望ましいと考え、2022年4月27日に文部科学省から通知されたような特別支援学級と通常学級を分け隔てるような考え方には否定的です。また、学校や地域社会が連携し、カウンセリングや相談窓口を強化することで、子どもやその家族が抱える不安や悩みを支援することも不可欠であり。さらに、学校環境自体の改善が必要で、学校が子どもたちにとって安全で多様性を尊重する場所となるよう努めるべきです。こうした柔軟な学びの形を取り入れ、子どもの権利を守りながら、自己肯定感や意欲を高めることが大切だと考えます。

 

【谷口はるこ】

 学校に行くことは強制ではありません。安心して休む権利・自分らしくいきる権利などを保障する立場から学校以外の様々な学びの場所(フリースクールなど)をきちんと認め学校と同様の支援を目指します。子どもの居場所として、学校復帰を前提としないで公的な施設を増やしていくことが良いと思います。

 

 

2-3.大阪府は「ともに学び、ともに育つ」教育を掲げています。障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育がなされることにより、「ともに学び、ともに育つ」学校園づくりがさらに推進されることを期待されています。

国連子どもの権利委員会からの勧告、2022年9月には、国連障害者権利委員会から日本政府に分離教育をやめるよう勧告が出され、文部科学省が言っているインクルーシブ教育システムではなく、本当の意味でのインクルーシブ教育が求められています。

摂津市として、障がいのある子どもを含めたすべての子どもを大切にした教育をどのようにしていくとよいとお考えですか?

 

【三好としのり】

 大阪府としては、「ともに学び、ともに育つ」という理念のもと、障がいのある子どもも含め、すべての子どもたちが平等に教育を受けられる環境を整えることが重要です。特に、インクルーシブ教育をさらに推進するため、学校現場での障がいに対する理解を深め、支援体制を強化することが求められます。また、教員の専門的な知識やスキルを向上させるための研修や、障がいの有無にかかわらず子どもたちが共に学べる教材や授業の工夫も必要です。これにより、障がいのある子どもも、その特性を尊重されながら学び、成長できる環境が整備されると考えます。

 

【谷口はるこ】

 障害の有無にかかわらず、子どもたち一人ひとりと関わる時間を充実させるためにも少人数学級の早期実現が必要だと思います。中学・高校を早急に35人学級にするとともに、将来的には小中高すべてで20人前後の学級にするように段階的に進めます。


 


イベント


子ども、保護者の困り感を集まった皆さまで、共有し、語り合いませんか?

友達、先生、園や学校、勉強、進学、親、子ども、家庭のことなどで困っている、悩んでいるなど。

支援の必要がある、LGBTQ+、外国ルーツなどで困っている、悩んでいるなど。

参加人数が多い時は、グループに分かれて語り合おうと思っています。

語り合う中で、内容によっては、摂津市や大阪府に対して伝えたがよいことなどは、伝えさせていただこうと思っています。

土曜は、子どもルームで開催しますので、お子さん連れの方でも来ていただければと思います。

お子さんの遊び相手に、学生さんもお願いしようと思っています。

子どもさんご自身、保護者の方ご自身の困っていること、悩みなど、集まった方でいろんな事をお話できたらいいなと思います。

お気軽にお越しください!

報 告


8月4日(日)
『不登校の現状〜当事者達からのメッセージ〜』
講師 日野航さん フリースクール BON PLACE 代表

日野さんのお話
「自己紹介」、「不登校の現状」、「不登校の気持ち」、「フリースクール」、「BON PLACE」、QRコード読み込んでの質問などに答えていただきました。

不登校の要因は様々だが、共通する点は、不登校の気持ちは、「学校が楽しくなくなったから」と。

不登校になると、
「味方がいなくなる」、「居場所がなくなる」、「ずっと自分を責められている様に感じる」、「学校行ってないから生きてたらあかんねん」など考える。

当時日野さんが求められていたことは、
「今」をみてほしいと。

大人は、どうしても学歴社会で生きていく為の進路・将来への不安から先のことを心配しているが、
子どもが悩んでいるのは、今学校に行けず味方も居場所もない事など悩んでいると。
大人と違い、学校以外の居場所ほとんどない。

今を誰も見ていないと。
なぜ学校に来なくなったのかを考えてほしい、未来を決めつけないでほしい。

ありのまま受けとめ、認めてほしい。
子どもたちは、すごーく考えている。
など、不登校の気持ちを教えていただきました。

「ありのままを受け入れ、認めてほしい」は、不登校のお子さまだけでなく、支援が必要なお子さまや他のすべての子どもたちに通じるとだなと思いました。

フリースクールは増えているが、まだ通っている割合は少ない。
金銭面、心理的ハードル、数が少ない。
吹田市も2団体のみと。
摂津市はないですね。

BON PLACEは、
不登校経験された方で主にスタッフを構成。
高校生の若者もいて、子どもと対等な感じで、遊んだりさせていると。はじめは心を開けなかった子どもも開いてきてくれていると。
全国でも珍しく基本利用料無料。
義務教育間は基本無料、不登校にも同等の条件で、学び、遊び、育つ権利があると。

不登校の子どもたちは、パーソナルスペースをわかっていると。わかっているので、喧嘩もしないと。

質問タイム
第3者の必要性、学校内居場所、学校の授業で「不登校とは?」という授業もしてほしい、保護者は、子どもに思いを伝え、対話することが大切、進路に対する子どもと保護者との違い、通信学校の事情など話題にあがりました。

選択肢を子どもも保護者も知らない、知らされていない。選択肢も少ないのもあるけど、選択肢を与えてあげることは大事。

子どもたちのありのままを大人が受け入れ、認め、対等に対話ができる安心できる居場所が家庭、学校、地域にあるといいのかなと思いました。

子どもの権利で、子どもの意見の尊重があり、子どもは自分に関係ある事柄について自由に意見を表すことができるとあります。そうなるには、子どもが一人の人間として尊重され、大人と対等な立場にあることが必要になると思います。子どもが思いを話せることができる大人、居場所が増えていけるといいのかなと思います。


7月7日(日)『子どもの権利を考える』「こどものために」から「こどもとともに」へ~「子ども基本法」スタートに立って~をテーマに、子ども情報研究センター理事の田中文子さんを講師としてお招きして、お話していただきました。

田中さんご自身が子どもの権利を考えるようになったきっかけやこの50年近く、子どもの権利を広める活動をされ、今の社会、未来の社会への危機感などお話していただき、参加者に問いかけられながらのお話でした。

地方自治体で動くことが大事!まずは、子どもの権利を子どもも大人にも周知する必要があると言われていました。

子ども情報研究センターは大阪府港区にあり、港区では、子どもが思っている「なんでやねん」を集め、市に提出されたり、「子どものけんり なんでんやね!すごろく」で子どもたち、大人も遊ぶイベントなどをされています。

田中さんのお話の後、摂津市でも何か動けないかと、
子どもが「なんでやねん」と思うことを書いて入れてもらう「なんでやねん!BOX」を子どもが集まる場所に設置してもらおうと動き始めています。